10年越しのチープカシオ

プツリと切れて落ちた、らしい。

「これ、落としましたか?」と聞かれて相手が持っていたのは、さっきまで右腕についていたはずのわたしの腕時計だった。

わたしが着けていた腕時計はチープカシオと呼ばれているもので、3000円もしない安物。安いのにカシオであること、多少の水に濡れても問題ない本体とベルト、シンプルだけど上品なところ、あらゆるところが私好みで10年以上使っている。写真を探してみたら2014年が最古のものだったけれど、たしか2010年くらいから使っているから13年近く使っているお気に入りだ。

でも13年ずっと同じものを使っていたわけではない。過去にも同じようにプツリと切れてしまって、これはもう4代目くらい。切れた電池を変えることはあったけれど、ベルトが切れたときには買い替えていた。

しかし今回は買い替える気持ちになれなかった。本体はしっかり動いているのにもったいない。これ以上同じような結末を迎えるくらいなら、ちゃんとしたベルトの時計がほしいと2024年のわたしは思っている。

ちゃんとしたカシオをそろそろ買うべきかと悩んだ末に、わたしが選んだのはちょっと高いチープカシオだった。

BEAMSにも売っているなら……と選んだゴールドの腕時計。実は10年前から気になっているものだけど、いつも価格を抑えたい気持ちが強くて選んでいなかったもの。生活防水してくれるし、ベルトは金属で切れなそうだし、金属だけれどステンレスだからアレルギーも起こしにくい。それで4,400円ならいいだろうと今のわたしは思えた。

それに時計しか機能がないところも好きだ。液晶じゃないから充電しなくてもいい。歩数や着信はわからないけれど、今でもスマホをつい開いてしまう自分にはこれでいいのだ。

理想は毎日使っても壊れにくくて、多少雑に取り扱っても気にしなくていいものだったから、十分だろう。

本当はもう少しいいお値段のずっと使えるものを探していたのだけれど、数年後に40歳を迎える人がつけていてちょうどいい腕時計ってなんだろうと考えているうちに、考えること自体が面倒になってしまった。

ということで、もうちょっといい腕時計はまたの機会に。今はこのゴールドの腕時計がしばらく、できれば10年くらい日々の相棒になってくれることを願うばかりだ。

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